オンラインメディアで僕が興味があったのは、もっぱら従来のHTMLで表現できるテキストと図でどうやってコンテンツを作成するかでした。音声や動画のコンテンツは、実はあんまり興味がありませんでしたが、ここ数日で少しその認識が変わりました。
興味がなかった理由は明白で、オンラインメディアを作る側にいた身としては(しかも管理職としては)、音声や動画のコンテンツは制作コストに対して得られる収益が期待できなかったためです。例外は、スポンサーが音声や動画によるメディアを希望して、かつ制作費をペイできるだけのスポンサー料金を払ってくれたときだけでした。もちろんこれはメディアビジネスの一部ではありますが、半分は制作プロダクションというか請負ビジネスみたいなものです。
個人的には、スタジオに入ってポッドキャストの番組を収録する仕事は好きだったし、楽しかったですけどね。
いずれにせよ、音声や動画を制作して公開することで収益を得る"オンラインメディアとして"のビジネスモデルは、まだ確立できていないのが現実でしょう。
一方、音声や動画を制作しないで、でも音声や動画で収益を得るビジネスモデルは、確立できていないまでも多くのメジャーなチャレンジャーがいます。YouTubeやニコニコ動画、Ustreamにzoomeなどなど。
ここ数日、僕はPHPのフレームワークのsmartyとかCakePHPとかsymfonyなどを勉強していました。そして僕にとって意外なことに、これらの勉強会やカンファレンスの動画がたくさん公開されていて、それらによってそれぞれのフレームワークの特徴とか、内容とか、仕組みとか、最新の動向、それに勉強会やカンファレンスを行っているコミュニティの雰囲気まで知ることができました。
CGMはエンターテイメントが中心とばかり僕は思っていたのですが、それはCGMに対する浅はかな認識で、実は情報伝達と学習とコミュニティ形成にも大きな役割を果たしそうだと、いまさらになって気付いたというわけです。
しかも動画の制作はどんどん簡単になっています。Webカメラとマイク付きのPCが増えていますから、録画ソフトを立ち上げればOK。セミナーでも、カンファレンスでも、勉強会でも、プレゼンを録画すればそれでできあがりです。しかも、ITの分野ではコミュニティによって毎日いくつもの勉強会が日本中で行われていますし、セミナー、発表会、記者会見も行われています。
いままでは、それらのごく一部が記事やブログなどのテキスト情報として掲出されるだけでした。起きたことをうまくまとめて文章に起こすのは手間がかかりますから、それが行われるのはごく一部なのも仕方がありません。しかし動画なら、カメラとマイク付きのPCでその場で撮影してそのまま公開するだけでもよくて、編集などを省略してしまうなら文章を書くより考えなくて済む。しかもそれは一次情報に限りなく近い。YouTubeなどを使えば自分でサイトを持つ必要もなく、公開にかかるコストも限りなくゼロに近い。
となれば、これからはCGM動画による情報伝達がITの世界で(も)爆発的に増える可能性があるのではないでしょうか。
そうなったとき、従来のテキスト型オンラインメディアはどんな役割を果たせるのか? 仮説の上にさらに仮説を立てることになってうまくまとめられませんが、動画のこともちゃんと考えないと10年後に生き残れないかも、ということだけは思うようになりました。

Junichi Niino
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